2013年09月11日

「ネイティブはそう言う」ということ


 ある雑誌に頼まれ、英語圏にある看板や標識を使った表現(生活英語表現)の記事を書いたことがある。
 下の写真を使い、「at all times が使われているので、このドアは開けることができます。もし all the time が使われていたら、開かずのトビラということです」と書いた。

(写真はクリックすると拡大します)
remain-closed.jpg


 すると、雑誌の編集部から「ネイティブが at all timesall the time は同じように使われると言っているので、この原稿は使えません」という通知が来た。

at all times は複数形になっていて、all the time は単数形(不可算名詞)なのに、どうして同じように使われるのか」と逆にたずねても、そのネイティブ・スピーカーの人は明確に答えてくれなかった。ネットでいろいろと調べてみても、明確な回答はなかなか見つからない。

 英語の表現で「これでいいのだろうか」というとき、私たちはよく「ネイティブはそう言う」と言って、OKにする。

 しかし、日本語で考えてみると、例えば「的を射た表現だ」というのを「的を得た表現だ」と言う人のほうが多い(文化庁が発表した平成15年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「的を射る」を使う人が38.8パーセント、間違った言い方「的を得る」を使う人が54.3パーセントという逆転した結果が出ている)らしい。

 これでは、「過半数が使っているから正しい」とはとても言えない。

 なぜ、英語だと「ネイティブはそう言う」から正しいことになってしまうのか。実際、正しいのかもしれないが。ここには、いまだに「西高東低」の意識があるのではないだろうか。「西高東低」は気象用語だが、ここでは「西洋が高く、東洋は低い」というつもりで使ってみた。
 
 
posted by 赤井田拓弥 at 20:04| Comment(0) | 英語の表記法