2013年12月16日

カリフォルニアの青い空 砂漠での生活 ― 20


アルバイト諸々 ― 6
花の配達

 ドーナツ屋さんでのアルバイトは、始めて1年後くらいに店主が日本から奥さんをもらい、その奥さんが店を手伝うようになったため、辞めることになった。

 ほかに私がやった主なアルバイトは、花の配達である。

 私が住んでいた Indio という町から20マイル (30キロほど) 離れたところに、Palm Springs という町がある。Coachella Valley ではこの町がいちばん有名で、セレブも多く住んでいる。私より年配の人だったら、『パームスプリングの週末 Palm Springs Weekend)』という映画を覚えている方もおられるだろう。

 この町に、ご主人は日系2世で奥さんが1世、つまり日本から嫁いでいった人、というご家族があった。この家は Palm Springs のダウンタウンで花屋さんを営んでいた。

 アメリカでは、いろいろな occasion に花を贈る。その花の配達のアルバイトを頼まれた。このアルバイトは毎日とか毎週末とかではなく、こうした occasion があるときだけである。なので、定期的な収入にはならなかった。

 花の配達の時給も2ドル50セントだった。ただ、このアルバイトには特典があった。配達に行った先でチップがもらえるのである。このチップは店に報告する必要がなく、自分で手にすることができた。
 とは言っても、チップは1軒でもらうのがせいぜい25セント、多くても50セントなので、1日に10箇所配達しても、2ドル50セントくらいにしかならなかったが。
 同じ配達していた同僚が、ある家から100ドルのチップをもらってきて、店で大騒ぎになったことがあった。

 上で述べた「いろいろな occasion」 で主なものは、2月の St. Valentine’s Day、3月の St. Patrick’s Day、4月の Easter、5月の Mother’s Day、6月の Father’s Day、11月の Thanksgiving、そして12月の Christmas などである。これらのほかにも、ちょっとした催しで配達にかり出されることもあった。
 
 こうした祭日前の週末は、朝から花屋に行って、「どこどこの家に配達してくれ」 という指示待ちである。取り立てて配達がないときは、店の掃除をやったり、アレンジの手伝いをしたりしていた。

 店の station wagon を使って配達した。アメリカの住所表示は、非常に分かりやすいので、配達はたたいへんではなかった。道路の名前に番号が付いているだけである。そして、偶数番号は左側だけ、奇数番号は右側だけのようになっている。もちろん、地図は車に積んであるが、出る前にだいたい見ておけば、ほぼ迷うことなく、その家に届けることができた。
 また、雨が降るようなことはないので、車を降りてから玄関口まで雨に濡れるようなこともない。

 配達先の玄関口で花の配達に来たということを告げ、伝票にサインをもらい、チップをもらって帰る。

 今でも、日本の街中で花屋さんに入ったり前を通ったりすると、花いっぱいの香りで、アメリカで花の配達をしていたことをふっと思い出すことがある。

 花屋さんの香りは、アメリカも日本も同じである。

posted by 赤井田拓弥 at 09:55| Comment(0) | カリフォルニアの青い空
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