2013年02月26日

「くびち」という鳥罠


 50数年を経てほとんど目立たなくなったが、私の右目の下には数センチの傷跡がある。小学校に上がる前か上がってからか覚えていないが、家の庭の木の根につまずいて転び、前にあった尖った石で目の下を切ったのである。

 今では野鳥を捕って飼ったり食ったりすることは禁止されているが、私が子どもの頃は、メジロを捕まえて飼ったり、鳥罠をかけて捕った野鳥を食うのはふつうだった。実は禁止されていたのかもしれないが。

 私が子どもの頃にかけた罠は「くびち」と呼ばれるようだ。兄に手伝ってもらって、初めて「くびち」を作り、かかった獲物を母親に見せようと喜び勇んで家に駆け戻っていて、木の根につまずいたのである。


 さて、その「くびち」という鳥罠の作り方を紹介してみよう。と言っても、今では作ることも禁止なので、作り方を知ったとしてもどうしようもないが。

 まず、下の2つを用意する。

wana-1.jpg
クリックすると拡大します。



 輪っかになったのは、長さ3メートルくらいの丈夫な糸(畳糸など)を使う。右の1本の糸はその半分くらい。

 藪に入り、根元の直径が3センチ前後の木を探す。太すぎるとバネが強すぎて、糸が切れやすい。手頃な木を見つけたら、150センチくらいから上を切り落とす。そして、その先端に上の2つをくくりつける。

 地面には、直径が同じく3〜5センチの棒を横に渡し、両端に重しの石を置く。あるいは、片方は地面に突き刺しておいて、はねないようにしておく。

 正面から見ると、下の絵のようになる。両端のオレンジ色の塊は、重しの石のつもり。

wana-3.jpg


 地面から2〜3センチのところに来るように、跳ね押さえの細い横棒を留める。小鳥が中のエサをついばんだときに、この細い横棒が落ち、まん中の支えがはね上がって、バネの力で太い横棒が落ちるという仕掛けである。

 むごいことだが、鳥は、下の緑色の横棒と上から落ちてきた横棒に首を挟まれて死んでしまう。

横から見ると、こんな感じである。

wana-4.jpg


 また、全体は下の絵のような感じである。

wana-2.jpg


 こうした罠を数か所に仕掛けておくと、4〜5日に1羽くらいは獲れたものである。
 学校から帰ると、罠を見に行く。バネにしている木がはね上がっているのが遠くから分かると、胸が高鳴ったものである。

 もちろん、獲れた鳥は焼いて食った。罠から取り上げたときに鳥が温かいと、ちょっと微妙な気持ちにはなったが、食い気のほうが強かった。

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posted by 赤井田拓弥 at 16:42| Comment(8) | 屋久島のこと
この記事へのコメント
初めまして、、鹿児島からです。昔々に山で遊び回って小鳥や鳩を罠で捕っていたことを思い出しまして、おぼろげには思い出すのですがうまく枝を書くことが出来ないで居ましたら赤井田さんのサイトを見つけました。
まさにこれでした。今考えたら小鳥たちに可哀想なことをしていましたが当時60年近く前は田舎のお店もないところでしたからおやつとして食べる物は自分で川や山で取ってくる以外はない時代でした。今の子供達は家の中でPCで遊ぶばかりで外で遊ぶことが少なくなりました。昔は良かったなと思える年齢になりました。赤井田さんのイラストを拝借、コピーしてもよろしいでしょうか?よろしくお願い致します。
Posted by 飯田 和咸 at 2013年11月01日 18:09
飯田さん、コメントありがとうございます。どうぞ、どうぞ。ヘタなイラストで申し訳ないですが、お使いください。
 今では、禁止されているのかどうか分かりませんけどね。10いくつ作っておくと、まあ、2日に1羽くらいは喰えたような記憶があります。
Posted by 赤井田拓弥 at 2013年11月01日 18:24
突然すみません。私、某大学の学生です。
現在、授業の一環で、狩猟について論文を書いております。罠の画像を載せたいのですがくびちの画像が中々見つからず困っておりました。その折、先生のサイトを発見致しました。
つきましては、ここにあるイラストを私の書く論文に使わせて頂けないでしょうか。勿論、引用元ははっきり記載致しますのでご了承頂けましたら幸いです。
Posted by 松田孝介 at 2013年12月23日 10:17
松田さん、コメントありがとうございます。

 どうぞ、どうぞお使いください。拙いイラストですけど。
Posted by 赤井田拓弥 at 2013年12月24日 09:11
九州・佐賀に住んでいる60代男性です。
先日 叔父とこの仕掛けを虚ろになった記憶を頼りに何とか再現しました。心許なく思っていたところ、このページに出会いました。
このような仕掛けを設置することも法に触るようですね。諸々理由はあるのでしょうが、事の一側面のみの測定で基準とせざるを得ないルールの悲しさでしょうか。道具が便利になり高度な黒箱になるほどより深いモラルが求められるはずなのに。仕掛け作りは工夫しつつ生きるにつながるのに。子供らしいわくわく感を伴う創意を奪うことに繋がるようにも思えます。
不良老人は早速作る事を決めました。
Posted by 徳島 孝之 at 2015年12月29日 15:03
徳島さん、コメントありがとうございます。鳥がかかったら、またお知らせください。
Posted by 赤井田拓弥 at 2015年12月29日 15:20
初めまして、小さいころに鳥を捕る罠の事を思い出していました、良く食べていました。仕掛けがネットに載っているか調べたら有りましたね〜有難う御座います。小さいころは、竹で作る方法も有りました。
五右衛門風呂だったので炭火で鹿児島(南大隅)なので甘い醤油を付け焼く、美味しかったな〜
今では違法でしょうね〜
今は札幌在住32年目、現在の生活には必要ありませんが、伝えていきたいものです。
Posted by ピンキー at 2017年03月27日 10:51
ピンキーさん、コメントありがとうございます。
そうですね、今では、野鳥と無許可で捕ることは違法ですね。私が子供の頃も違法だったのですけどね、本当は。
 でも、だれも咎めませんでしたからね。

 最近、もっと詳しいイラストにしましたよ。2月6日のこの記事です。
http://nullarbor.sblo.jp/article/178675776.html
Posted by 赤井田拓弥 at 2017年03月27日 11:06
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