2012年09月03日

鹿児島弁と英語

 さて、ツマラない私のかごっま弁講座も、とりあえず今回が最後です。


 標準日本語では、相手のところに向かうとき「行く」という表現を使いますね。
 
 【例】 明日、そちらに行きます。

 しかし、英語では、相手のところに向かうときは、「来る」という意味の come を使います。

 【例】 I’ll come to your office tomorrow.

 英語の go は相手から離れていくときに使います。

 ところが、鹿児島弁では、相手のところに向かうときに「来る」を使うんですよ。例えば、自宅に飲みに誘ってくれた相手とのあいだで、次のような会話が交わされます。

 【例】
 相手: 旨かきっなごが入ったでぉ、わげえで呑ん方をすっが。きゅはばきもおらんで。
     私:  あ、よかなぁ。ほんなら、あとでくっがぉ。

 【訳】 相手: 旨いきびなごが入ったから、我が家で呑もうか。今日はカミさんもいないし。
     私: おぉ、いいねぇ。じゃ、あとで行くよ。

 ま、このように鹿児島弁と英語は発想が同じなんですね。「くっがぉ」は「来るからね」という意味合いです。

 ところで、上のかごっま弁の「ばき」は、自分の奥さんを卑下して言ったりする表現です。


 さて英語の話です。

 今では、kimonojudo など、多くの日本語が英語として使われています。その中で、最初に英語になった日本語は何だと思いますか。

 英語辞書の最高峰とも言える Oxford English Dictionary(略して OED)によると、最初の日本語は1577年に採用された kuge(公家)で、次に、1588年に bonze(坊主)が収録されたそうです。

 Oxford English Dictionary は良い辞書ですよ。OEDおぉ、えぇでぇ)と言いますもんね。

 では、その『おぉ、えぇでぇ』に、satsuma という語が載っていますが、どういう意味でしょう?「サツマイモ」のことでしょうか。

大文字の Satsuma は、もちろん「薩摩」のことですが、小文字の satsuma、つまり普通名詞には次のような語義が出ています。

a type of small orange without seeds and with loose skin that comes off easily


 「簡単にむけるやわらかい皮のある、種なしの小さいオレンジの一種」という意味ですね。つまり「温州みかん」のことですね。without seeds は「種のない」ということですが、温州みかんにも種はありますよね。


 幕末の生麦事件に端を発した薩英戦争(1863年)で、薩摩の人たちは西洋文明のすごさに感嘆し、また、戦争後の賠償交渉が思いの外うまく行ったことに感謝して、薩摩産のみかんをいっぱいプレゼントしました。

 イギリスと薩摩が戦後の講和を交わしたのが11月15日ですから、ちょうどみかんの収穫時期だったわけですね。

 それ以来、イギリスの人たちは、みかんのことを satsuma と呼び始めたのだそうです。

 『ハリーポッター』にも satsuma が、みかんとして出てくるのだそうですよ。

 ちなみに、サツマイモは sweet potato と言いますね。

 また、英語で醤油のことを soy sauce、大豆を soy bean と言います。

 この soy は、鹿児島弁で醤油を差す「しょい([そい]と発音する人もいる)」が英語になったものだという話もあります。

 薩英戦争後の貿易で、醤油が「そい」として紹介され、醤油が soy となり、その原料である大豆が soy bean となったわけですね。


 それでは、醤油を使ったオヤジギャグ講座

 お寿司屋さんや日本料理屋で醤油の使い方がよく分からないような外国旅行者の人を見かけたら、こう言ってあげましょう。

 Let me show you how to use shoyu.



 それでは。


posted by 赤井田拓弥 at 16:48| Comment(0) | 屋久島のこと
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