2019年06月27日

屋久島のトビウオ


 屋久島では、5月から6月いっぱいくらいがトビウオ漁の最盛期である。

 今では、昔ほどトビウオが獲れなくなったようだが、私が子どもの頃の1960年代には、船が沈みそうなくらい、海面が船縁近くまで上がってくるほどのトビウオを積んで帰ってきていた。

 長兄が中学生の頃は、学校帰りによくトビウオをぶら下げて帰ってきたものだ。学校帰りに通る村の人たちから「にいちゃん、持って帰れ、ほら」ともらったりしたのだそうだ。

 高校の時、朝早くからトビウオ漁に出て、家業の手伝いをする同級生がいた。

 朝4時前に出港し、沖合で網をたぐる。4時間ほどの漁である。
 この同級生は、港に帰ったあと風呂に入ったり着替えたりしてから登校するので、学校に来るのは昼近くになる。枕持参である

 彼は学校に来たあと、窓ぎわの席に着き、枕を使って寝ていた。授業が終わるまでずっと寝ていたから、「学校に来る必要はないのでは」と、私などは思ったくらいだった。

 先生方も彼が何をやっているのか知っているので、授業中の居眠り(と言うか熟睡)をとがめることもなかった。

 そして授業が終わると、彼は律儀に枕を持って帰るのだった。明日も同じように枕を持ってきて寝るのだから、枕は学校に置いていってもよさそうだったが。


ホトトギスとトッピー

 ホトトギスは、初夏にあの独特の鳴き方で現れる。ちょうどトビウオ漁の時期と重なる。

 一般的にはホトトギスの鳴き声は「テッペンカケタカ」とか「東京特許許可局」だとか言われているが、屋久島では「トッピォトレタカ」と鳴くと言われる。「飛び魚獲れたか」である。
 「トッピォトレタカ、トッピォトレタカ」と鳴きながら、海から山へ飛んでいく。この鳴き方のほうがよほど親しみやすい。

 「テッペンカケタカ」では、何の意味もない。

 また、鹿児島と屋久島、種子島を結ぶ高速船に「トッピー」という名前の船があるが、この「トッピー」もトビウオのことである。

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posted by 赤井田拓弥 at 11:05| Comment(0) | 雑文
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