2018年07月19日

「享年」という言葉


 人が亡くなったとき、「享年80」とか「享年80歳」のような表現が使われる。多くの人はおそらく「享年」という言葉を「その人が亡くなった満年齢」と誤解しているのではないかと思われる。

 「享年」は、死んだ人の年齢を表すのではない。生きた年の数を表す。「年の数」と言っても、「生きた年数」でもない。

 例えば、1901年12月に生まれた人が2000年1月に死ぬと、満98歳だが、「享年は100」である。
 また、1901年1月に生まれた人が2000年12月に死ぬと、満99歳だが、これも「享年100」である。

 なぜか。

 享年というのは「生きた年の数」のことなので、前者の1901年に生まれた人は、1901年も「」と数える。そして、亡くなったのが2000年なので、年の数は「100」である。後者も同じ計算で「100」となる。

 つまり、「享年=満年齢」なのではない。したがって、「享年80歳」や「享年満70歳」のように「」を付けるのは、実はまちがい。

 極端に言うと、12月31日に生まれた子が翌日の元日に死ぬと「享年2」である。わずか1日しか生きていないのに、である。

 ただ、こんな幼くして死んだ子に「享年」は使わない。「天寿を全うしたわけではない」からである。
posted by 赤井田拓弥 at 10:02| Comment(0) | 雑文
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