2018年07月09日

虫の声を愛でる

 小泉八雲の作品に『草雲雀』という短編がある。草雲雀というのは、鈴虫やこおろぎのこと。
 次のように表現している。

 「非常に小さい電鈴の音のやうな、かすかな、かすかな銀鈴が波だち顫へるやうな聲で、部屋がいつぱいになり初める。」
 
 彼はイギリス人である。イギリス人なのに(敢えて「なのに」を使うが)、虫の声を愛でる心がある。
 
 なぜ「なのに」を使ったかというと、藤原正彦氏のエッセイに次のようなくだりがあり、イギリス人は虫の声を愛でるのではなく noise と捉えていると思えるからである。

 来日したイギリス人の友人を、藤原氏が自宅での夕食に招いた。食事中、庭の虫が泣き出すと、その友人が What's that noise? と言ったそうだ。

 noise は、「不快に聞こえる音」である。
posted by 赤井田拓弥 at 23:12| Comment(0) | 英語で英文法
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。