2018年07月27日

エレベーターに閉じ込められたこと


 昨日(2018年7月26日)に、東京都多摩市の建設現場で大きな火事があり、数人の死者と数十人のけが人が出た。

 ニュースで逃げ延びた作業員にインタビューしていた。その人が「ああ、もう自分はこのままここで死ぬんだろうなと思った」と答えていたが、よく分かる。

 実は私も、30年くらい前に「自分はこのままここで死ぬんだろう」と思った経験がある。

 ある古いビルで、エレベーターに1人で乗っていて閉じ込められたのだ。
 

 初めは、そのうちに動くだろうと思っていたが、ベルを押してもドアを叩いて呼びかけても、10分ほどは、何も応答は無し。

 そのうち、エレベーターの箱の中に煙が入って来はじめた。そして、外では救急車や消防車のサイレンの音が鳴り始めた。煙はどんどん濃くなっていった。

 私は、ビル全体が火事で、そのうち自分はエレベーターの中で蒸し焼きになって死ぬんだろうと覚悟した。遺書を書かなきゃとも思った。
 もし体が焼けるのだったら、遺書も焼けただろうけど。

 そうこうするうちに助け出された。
 実際には、エレベーターのワイヤーが外れ、そのまま回り続けたために、滑車か何かのオイルが焼けて煙を出していたのだった。
 
 それ以来ずっと閉所恐怖症だった。車を運転していて長いトンネルに入ると、途中で動悸が激しくなり、顔がほてってきた。

 しかし、10年くらい前から、エレベーターに1人で乗るのも、あまり苦にはならなくなった。

hakucho.jpg
posted by 赤井田拓弥 at 15:18| Comment(0) | 雑文

ゆで卵の時間


 テレビで半熟卵の作り方を見ていて、ふと思い出した。

 アメリカに行ってひと月ほど経ったころ、同じ大学に通う日本人4人で、サンディエゴに遊びに行くことになった。

 昼飯を食おうとファミリーレストランに入った。

 友人の一人がゆで卵を注文すると、ウェイトレスは How many minutes? ときいてきた。彼はとっさに、おそらく何も考えずに、Three minutes. と答えた。

 そして、出てきたゆで卵は、割ってみると、ほとんど生卵だった。

 ゆで卵は、実際には10数分はかかるようだ。

 当時、私たちはまだ二十歳ちょっとすぎの若造だったから、ゆで卵を作るのにどのくらいの時間がかかるかも知らなかったし、また、日本ではゆで卵を頼めば、出来合いのものが出てくるのがふつうなので、「何分ゆでますか」という質問が来るなど想像もしていなかったのである。

 そして、「アメリカでは何でも個人の希望を訊いてくるんだね」と、みんなで感心したのであった。

DSC01408.jpg
posted by 赤井田拓弥 at 11:02| Comment(0) | 雑文