2017年04月04日

VOA ディクテーションモニターの一例(その2)


パワーアップリスニング』でVOAディクテーションのモニターの結果を、あと2人紹介しましょう。ディクテーションの正解率の推移です。

 グラフはクリックすると拡大します。

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 12月8日までは正解率が大きく上下していますが、その後は一定して上昇調です。下がった日でも、小さい下がり方です。

 このモニターさんの解答の傾向から、このたびの新刊本『ディクテーションのススメ』でも詳しく取り上げている「音声変化の現象」に惑わされている面があることが分かりました。

 特に「消失現象」つまり
ストレスの置かれない母音は消失する
という現象です。include clude と聞き取ってしまっているところがありました。
 
 また、
前の単語の語尾と次の単語の語頭が同じ子音の場合、前の単語の語尾が消える
という現象にも悩まされています。

 Officials say ... などです。

 このように見ていくと、ディクテーション学習は、自分の弱点がよく分かる学習法だとお分かりいただけると思います。

 次のモニターさんです。

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 この人は、ほぼ毎日、あるいは1日に2回、ディクテーションを行った、非常に熱心な人でした。

 グラフを見ると、今までの人たちと同じように、10回目あたりまでは激しい上下を見せていますが、そのあとは高いところで安定してきています。

 12月25日の2回目だけがストンと落ちています。この時、ご本人は次のようなコメントを添えて採点しています。

「この課題はなんだかとても難しく感じました。イメージが湧かなかったのです。だらだら時間をかけても堂々巡りのまま終わるような気がしてしまって、中途半端なまま答え合わせをしてしまいました。ちょっと不本意な結果です。」

 この人やディクテーションしたニュースをチェックしてみると、「堂々巡り」のイライラ度が伝わってくるような解答でした。

 例えば、an earlier disputes end a talks のように、an a があるのに複数形にしてしまったりという個所がありました。平常心の時はたぶん見直しで気が付くレベルです。

 例えば、自分に興味がないニュースとか自分の分野ではないニュースなどでは極端に正解率が悪くなることがあります。

 しかし、逆に言うと、こうした間違いをするということは、
「物理音声の認識」 から 「内容の認識」 に変化しつつある
ということですから、それだけ進歩したということなのです。

 ディクテーションは、このように
自分で自分の進捗がよく理解できる学習法
なのです。


 『ディクテーションのススメ』は、こちらからどうぞ。

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posted by 赤井田拓弥 at 19:26| Comment(0) | 英語で英文法

VOA ディクテーションモニターの一例(その1)

 
 以前に『パワーアップリスニング』(朝日出版社) という雑誌の執筆・編集を担当していたとき、VOA ディクテーションのモニターを募集し、一定期間、Special English (現 Learning English)のディクテーションをやってもらったことがあります。

 下のグラフを見てください。

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グラフは、クリックすると拡大します。

 11 月16日までとそれ以降とがまるっきり違った傾向を見せていることに気づかれることでしょう。

 このときのモニターさんは、「11月16日までは 聞き慣れない固有名詞が出てくると、文の構造自体がわからなくなることがあった」 と言っていました。

 文の構造自体を音声に惑わされていた状態だったのですね。

 これが11月19日を境に正解率のばらつきが見られなくなり、安定してきています。

 つまり、固有名詞と他の品詞との区別がはっきりできるようになったということです。

 ニュースに限らず、英語のなかで固有名詞の占める割合はそんなに多くありませんから、固有名詞と他の品詞との区別がつけられるようになるだけで、ずいぶんと気が楽になるはずです。

 こうなると、ディクテーションのたびに、文の構造や文法の再構築ができるようになり、楽しくなります。そして、ディクテーションに弾みが出てきます。

 そうすれば、正解率(つまり英語能力)がぐんと上がってくるというわけです。
posted by 赤井田拓弥 at 09:35| Comment(0) | 電子ブック