2017年03月29日

ディクテーション学習のすすめ



 電子ブックで『ディクテーションのススメ』という本を出しました。ディクテーション学習がどれほど効果的な方法なのかを、これから少しずつ書いていきたいと思います。

 ディクテーションという学習法は、英語を聞きながら聞こえてくる英語を一語一句残らず書き取るだけの極めて単純な学習法です。

 「音声を文字にする」というだけの作業ですから、「大して効果があるとは思えない」と主張する人も多いようです。

 しかし、英文を書き取る作業の過程には、実にたくさんの要素が含まれており、英語の総合力アップに非常に効果のある学習法なのです。


ディクテーション学習はなぜ効果的か

 ディクテーションの基になるのは、音声だけです。その音声だけの状態から、どこが文の始まりなのかどこで終わっているのかなどを判断して、大文字にするところやピリオドを打つところなどを決めます。また、文尾がピリオドなのかクエスチョンマークなのかなども判断します。

 さらに、英単語にはたくさんの同音異綴語や紛らわしい発音の単語があります。こうした単語は、音声上はまったく同じに聞こえたり、すぐには判断できない発音で聞こえたりします。

 この場合、状況判断がポイントです。

 また、ふつうのスピードの英語では、「弱化」や「消失」と言われる、音がはっきり聞こえない現象や、「連結」と言われる音がつながった現象、他の発音にまぎれて別の発音に聞こえてしまう「同化」現象が起こったりします。

 こうしたリスニングを困難にするさまざまな現象も、文法力があればそこを補って理解することができます。
 つまり、ディクテーション学習を続けることによって、リスニング力だけでなく、文法力構文力リーディング力が備わってくるというわけです。
 
 ディクテーションは一見、物理音の聞き取り作業の世界から出ていないように思えますが、実は上で述べたようにさまざまな要素が求められますので、Listening Comprehension 能力(聴いて状況を判断し内容を理解する力)の養成を含め、リーディング力、ライティング力、文法力などをブラッシュアップするのに最も効果的なトレーニング法だと言えるのです。

 ぜひ、この機会にディクテーション学習を始めてみませんか。

posted by 赤井田拓弥 at 19:27| Comment(0) | 英語で英文法

VOA Learning English のディクテーションで TOEIC スコアが判断できる。


 Voice of AmericaSpecial English という、1500語レベルの単語を使い、1分間に100語の、やさしくてゆっくりとした放送がありました。今でも、Learning English として残っています。

 この Special English を使ってディクテーションをした調査から、TOEIC スコアが予測できることが分かりました。

 1990年代の半ばでしたが、TOEIC を考案された三枝幸夫教授と私たちのグループが行った調査です。

 その調査の詳しいいきさつと、なぜTOEICスコアが予測できるのかという調査結果の数値や統計グラフなどは、この本に詳しく載せました。

 新刊です。300円です。

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posted by 赤井田拓弥 at 11:38| Comment(0) | 英語で英文法

[h] 音で始まる単語の前の冠詞が an になるケース


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 英語の不定冠詞は、続く語が子音で始まるときは a で、母音で始まる語が続くときは an になりますね。これは中学の最初に習います。
 
 ただ、母音といってもつづりではなく発音ですから、次のような語の場合は an ですね。

  an hour ← h- は黙字。
  an herb ← アメリカでは[アーブ]と発音するため。イギリスでは[ハーブ]と発音するため、a herb となります。

 ただ、新渡戸稲造がアメリカのジョンズ・ホプキンス大学で書いた『日米関係史』という論文の原題は、次のようになっています。
 
 The Intercourse Between the United States and Japan: An Historical Sketch

 historical は [h] 音で始まるのに、an が使われていて不思議ですね。

 Wikipedia に次のような説明があります。

 話し手や書き手によっては、次の単語が /h/ で始まり、かつその第一音節に強勢がない場合に「an」を使用する(an historical novel、an hotel など)[68][40]。『Merriam-Webster's Dictionary of English Usage』では a historic と an historic の両者が認められている。


 これによると、an historic sketch は大丈夫だけど、an history はダメということですね。history は誤答に第一強勢がありますから。


 上記の新渡戸稲造のタイトルで、もうひとつ注目するのが、intercourse という語が使われていることです。下の写真を見てください。ある本のコピーです。

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写真はクリックすると拡大します。

 戦後、いわゆる進駐軍関係の車が東京をどんどん走るようになったため、警察は英語の標識や掲示を出しました。その中には、ネイティブ・スピーカーたちの目を疑わせるような掲示や標識がたくさんあったようです。
 
 和英辞典を使って書いたのでしょうけど、intercourse は今では、性行為以外にはほとんど使わないようです。

 そのほかの掲示の例も出しておきましょう。
 「縦列駐車」の「縦」を vertical としたのでしょうけど、イラストのような駐車方法になってしまうのでした。

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写真はクリックすると拡大します。
posted by 赤井田拓弥 at 10:36| Comment(0) | 英語で英文法